「姨捨駅」に夜な夜な客が訪れる 月の駅?不思議な魅力
遠藤和希
月の駅――。時にそう冠されるJR篠ノ井線の姨捨(おばすて)駅(長野県千曲市)は、姨捨伝説が残る冠着(かむりき)山(姨捨山)近くの標高547メートルの山腹に位置する。今はコロナ禍で客は少ないが、「日本三大車窓」の一つとされる国名勝の景色を求めて、駅に夜な夜な全国から客が訪れる。
8月上旬、無人の駅のホームに降り立つと、目の前に千曲川流域の盆地「善光寺平」や千曲市街地を一望する夜景が広がった。見上げると、空には満月が浮かび、辺りにはカエルや虫の鳴き声だけが響いている。
今年6月、近辺の棚田の水に映る月影が国の「日本遺産」に選ばれた。古くから「田毎(たごと)の月」と呼ばれ、江戸時代、歌川広重が浮世絵に描き、松尾芭蕉は俳句に詠んだ。
近くの戸倉上山田温泉街の旅館の主人で、夜景ツアーのガイドも務めるタイラー・リンチさん(50)は「地域に親しまれている月の駅。今回の日本遺産の認定も解説に盛り込んでいきたい」と意気込む。
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