異例ずくめ、うがい薬会見への道程 前夜も調整バタバタ

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本多由佳 笹川翔平 久保田侑暉 森下裕介
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 新型コロナウイルス対策として、うがい薬の利用を推奨した大阪府吉村洋文知事は、初期段階の研究結果を「早く府民に伝えたい」と前のめりに発表した。新しい研究の発表形式としては極めて異例。政治と科学の距離の取り方として配慮に欠けていたとの指摘が出ている。

 うがい薬について発表する前日の8月3日夜。発表内容についての調整がバタバタと続いた。吉村知事は府庁内の担当部署との打ち合わせで「感染している人が周囲にうつさない可能性があるなら、うがい励行を呼びかけたい」と主張。それまでの内部協議では、医薬品医療機器法との関係を考慮して控えめの発表にする予定だった。

 「イソジン」などの個別商品名は出さず、「効果がある」などの表現も控え、府が協力して研究を継続するという内容にとどめる方針だったが、吉村知事の意向を踏まえて変更した。追加してつくったフリップにはこう明記した。「ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行してください」

 発表することを決めたのは7月31日だった。大阪市役所の一室。吉村知事と松井一郎大阪市長は府立病院機構の遠山正彌理事長、同機構大阪はびきの医療センターの松山晃文・次世代創薬創生センター長らと定例の会議を開いていた。

松井市長「これはいい研究や」

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