川に足を浸して歩く 大きくなる音の先に神秘的な風景が

有料記事

文・杉浦奈実 写真・矢木隆晴
[PR]

 木漏れ日を浴び、小川に足を浸して上流へ。だんだん大きくなる「ドー」という音。その源に向かうと、神秘的な光景に出会えた。

 差し込む陽光が、緑の岩盤と白い滝のコントラストを浮かび上がらせていた。兵庫県新温泉町の山あいにある「シワガラの滝」は、洞窟の中からしか見えない不思議な滝だ。高さ約10メートル。大きくはないが、ドーム状の洞窟には轟音(ごうおん)が満ち、細かいしぶきでひんやり感じる。

 鳥取県との県境近くにある上山高原一帯では、年間2千ミリを超える降水が深い渓谷を形作る。周辺のガイドや体験学習などを通じて都市部との交流活動を担うNPO法人「上山高原エコミュージアム」の馬場正男事務局長(69)は、「2本の渓谷とその支流合わせて、100以上の滝があります」。

 シワガラの滝は小又川渓谷にあり、以前は修験道の修行の場で女人禁制だった。僧が滝に打たれる姿から、「しばかれる」が変化し、その名がついたとも伝わる。「知る人ぞ知る滝」だったが、近年雑誌で紹介されたり、バスツアーもできたりして人気になった。

 車道からは歩いて40分ほど。トチノキやミズキが生える斜面を、鎖やロープを使って下りる。川の中の石を渡ったり、ふくらはぎまで川に浸したりして進む。山歩きの服装と、長靴かマリンシューズが必要だ。倒木を使った橋もあり、冒険気分を味わえる。着生植物のイワタバコやコケに彩られて緑色の壁のようになった岩が見えてきたら、あと少し。水音が大きくなってくると、岩の隙間に滝が見えてくる。

記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員限定のプレゼントもあります。

ここから続き

 一帯は高級和牛「但馬牛」の…

この記事は有料記事です。残り794文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら