第3回高まる「W字」回復の可能性 政府に求める急がば回れ

有料記事コロナショック 変容する経済

山本知弘
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 4~6月期の国内総生産(GDP)は、「戦後最大」のマイナス成長となった。2008年のリーマン・ショックは「100年に1度の危機」とも言われたが、なぜこれを上回る落ち込みになったのか。コロナ危機収束の見通しが立たないなか、この先どうなるのか。大和総研シニアエコノミストの神田慶司さんに聞いた。

リーマンよりスピードは3倍、4倍の差

 ――今回のGDPでは、大幅な落ち込みが予想されてはいましたが、年率27・8%減という数字には驚かされました。

 「最大の要因はGDPの半分余りを占める個人消費の落ち込みです。リーマン・ショックの後は輸出が急落しましたが、個人消費は傷が浅かった。それが今回は前期(1~3月期)比で8・2%も落ちました。こんなことは過去にもない。これがリーマンの時との一番の違いです。結果的にGDP全体でも戦後最大の落ち込みになりました」

神田慶司(かんだ・けいじ) 一橋大卒。2004年大和総研に入社。内閣府政策統括官室(経済財政分析担当)出向などを経て、19年から経済調査部日本経済調査課長。専門は日本経済、財政・社会保障。39歳。

 ――個人消費がここまで急落したのは、どうしてでしょう。

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 「通常、個人消費が落ち込む…

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