首相、今が「給料分の仕事」するとき 失われた神通力
編集委員・福島申二
日曜に想う
東京は厄介者になったように思った。もう旧聞に属するが、新型コロナウイルス感染者が首都で急増に転じたのを菅義偉官房長官が「圧倒的に東京問題」と述べ、小池百合子都知事が「国の問題」とやり返した、あの応酬を聞いてである。
それなりの伏線があり、思惑も含んだ発言だったようだが、一都民のわが目には、責任を棚に上げて非を押しつけ合っているようにしか映らなかった。
ふと頭に浮かんだのは一つの言葉だった。古い話になるが1961年、キューバ革命政権の転覆を狙ったアメリカの侵攻作戦はみじめな失敗に終わった。誕生間もないケネディ新政権の手痛い汚点になったが、大統領はひとり責任を認めたうえでこう言った。「勝利には千人の父親がいるが、敗北は孤児だ」
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