山口)中国残留婦人交流の会30年余 記憶の継承が課題

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高橋豪
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 戦後、中国にとどまって生活した中国残留婦人の帰国を支援する民間団体「中国残留婦人交流の会」が、山口県内で発足してから30年余り。支援活動が一段落した後も毎年10月に慰霊の集いを続けてきたが、中国残留婦人やその家族、支援者は高齢化が進み、記憶の継承が課題となっている。

 五重塔で知られる山口市の瑠璃光寺。谷口長江(おさえ)さん(77)は自宅から自転車で毎日訪れ、境内の墓地にある「中国残留婦人慰霊の碑」に祈りを捧げる。母ヒサさんと中国人の養父とともに、1999年に永住帰国した。慰霊碑には2人が眠っている。

 43年、旧満州のチチハル(現・中国黒竜江省)で生まれた。旧満州電電に勤めた父は1歳の時に戦死。従軍看護婦だったヒサさんと2人で終戦を迎えた。長江さんが肺炎を患ったため、母子は引き揚げの機会を見送ってチチハルにとどまった。

 レストランや軍服工場で働い…

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