カメムシ大量発生、5日間で3万匹調査例も 1月に予兆

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大木理恵子
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 独特の臭いを発するカメムシ。中でもナシやモモなどの汁を吸って果実を変形させるなどの害を及ぼす「果樹カメムシ類」が今夏、大量発生するおそれがあるとして、西日本を中心に注意報の発令が相次いだ。例年にない数が確認された地域もあるが、はっきりとした原因はわかっていない。

 農林水産省植物防疫課によると、チャバネアオカメムシやツヤアオカメムシなどの果樹カメムシ類は、国が指定する病害虫。植物防疫法に基づき、各都道府県に発生数の予測調査を依頼している。

 7月中旬。熊本県天草市で県の担当者が驚く結果が出た。果樹カメムシ類の活動を調べる「予察灯」と呼ばれる装置に集まったチャバネアオカメムシが5日間で約3万匹にのぼり、平年同時期の454匹を大きく上回った。「数字を見たとき、ゼロが一つ多いのではないかと疑ったほどだ。あまりの多さに驚いた」と担当者は話す。

 ナシやブドウなどを栽培する熊本市内の農園では6月ごろから、果実にカメムシが吸いついた跡が残ったり傷んだりする被害が出ている。予防のため4月ごろから果樹にネットをかぶせていたが、隙間から侵入された。1カ所でも被害を受けた果実は廃棄せざるを得ない。オーナーの60代女性は「今年の被害は例年よりひどい。防ぎきれない」と声を落とした。7月にいったん落ち着いた被害は梅雨明けから再燃し、現在も続いているという。

 県は梅雨明け後の気温上昇で果樹カメムシ類が活発になるなどの理由から、少なくとも今月下旬までは警戒を呼びかけている。

越冬数、今年は多め

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 予兆はあった。熊本県農業研…

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