感じる体温… ALS患者のヘルパー「死なせるなんて」

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田中祐也
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 京都市で昨年11月、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者が死亡し、女性に頼まれて薬物を投与したとする嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された事件で、京都地検は13日、大久保愉一(よしかず)容疑者(42)=仙台市泉区=と、山本直樹容疑者(43)=東京都港区=を同罪で起訴した。

 家族と協力しながらALS患者に寄り添うヘルパーも、患者を支えるはずの医師の行為に戸惑う。

 ストレッチをする時に足を触る。体温を感じて温かい。「当たり前なんですけど、ALS患者も生きている。死なせるなんて絶対にできません」。土屋訪問介護事業所ヘルパーの竹内正裕さん(37)はこう話す。京都府八幡市のALS患者、佐々木洋一さん(64)を週1回介護している。

 佐々木さんは気管切開手術を受け、人工呼吸器を着ける。気管からもれる声で意思を伝える。わずかに動く左指で特殊なマウスを動かし、パソコンを操作する。竹内さんに佐々木さんは「こんばんは」「ありがとう」と言うし、機嫌悪く「妻とけんかした」とつぶやくことも。「表情豊かで意思疎通もできる。どこにでもいる、気の良いおっちゃんです」と竹内さん。

起訴の医師へ「自分勝手で傲慢」

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