18宗派が共存するレバノン「クサいものにふた」の過去

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鎌田悠
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 中東レバノンの首都ベイルートで8月4日に起きた大規模爆発。少なくとも137人が死亡、5千人超が負傷しました。大惨事はなぜ起きてしまったのか、さまざまな臆測を呼んでいます。その背景には、レバノンが抱える一筋縄ではいかない事情があるようです。立命館大の中東・イスラーム研究センター長を務める末近浩太教授に解説してもらいます。

 ――カルロス・ゴーン日産前会長の逃亡先でもあるレバノンですが、どんな国ですか。

 中東らしくない国ですね。飲酒が規制されている多くの中東諸国とは異なり、お酒が飲めて、自由で開放的な雰囲気があります。地中海に面した岐阜県ほどの広さの国ですが、地形の変化に富んでいて万年雪のある山地もあります。午前は海で泳いで、午後はスキーを楽しむということもできるんですよ。サウジアラビアアラブ首長国連邦のお金持ちが夏にバカンスで遊びに行くようなところです。ちなみに、レバノン料理は中東で一番おいしいと言われています。

 ――一般的な中東のイメージとはだいぶ違います。

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 キリスト教徒が多く暮らし…

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