ロシアがコロナワクチン承認へ 安全性には疑問の声も

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モスクワ=石橋亮介
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 ロシア政府が12日に、世界で初めて新型コロナウイルスに対するワクチンを承認する見通しになった。10月にも感染リスクの高い医療関係者らへの集団接種を始める。ただ、国際的に承認に必要とされる臨床試験(治験)の一部を後回しにしており、安全性を疑問視する声も出ている。

 ロシア保健省によると、モスクワの国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所と国防省が共同開発したワクチンで、9月にも大量生産を始める。開発資金を出す政府系ファンド「ロシア直接投資基金」の総裁は、旧ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星「スプートニク」を引き合いに「世界に先駆けた偉業だ」と成果を強調。年末までに月1千万個を生産できるようにするとし、「世界のワクチンの保証人になる」と述べた。

 ただ、保健省によると、完了した治験は約80人を対象にした第1~2段階で、大人数に接種して安全性や効果を確認する第3段階は終わっていない。同省は今後、接種と並行して1600人以上を対象にした第3段階の治験を行うとしている。同研究所のデニス・ログノフ副所長もロシアメディアに、「子供や高齢者への接種は、完全な安全性の確認後だ」と開発途上にあることを認めた。

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