全国一斉に「栄冠は君に輝く」 開幕日にリモート演奏

加藤真太郎 八鍬耕造 松永佳伸
【動画】花咲徳栄吹奏楽部員88人が「栄冠は君に輝く」を演奏し応援=高山顕治撮影
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 全国高校野球選手権の大会歌「栄冠は君に輝く」を全国各地で一斉に演奏、合唱して動画を投稿する「#みんなで栄冠」(朝日新聞社主催)が10日、甲子園での交流試合開幕に合わせて催された。

 交流試合の開幕試合に登場した花咲徳栄高校(埼玉)は一回裏の攻撃が始まった午前10時10分ごろ、埼玉県加須市の同校で、リモート応援のため集まった吹奏楽部員88人が「栄冠は君に輝く」を演奏。その後は、大型モニターに映る試合の中継を見ながら、選手それぞれの応援歌やチャンステーマなど約30曲を披露した。

 この夏は「吹奏楽の甲子園」とも呼ばれる全日本吹奏楽コンクールもコロナ禍で中止に。3年生は集大成の場を失った喪失感に涙を流した。だが、同校は昨年まで5年連続で夏の甲子園に出場し、2017年に全国制覇した強豪。野球部の応援がしたくて吹奏楽部に入った生徒も多く、川口智子監督の発案で野球部のリモート応援を決めた。大平裕太主将(3年)は野球部の井上朋也主将と同じクラス。「一生懸命頑張っている人たちを応援できるのはすごく名誉なこと。『栄冠は君に輝く』を演奏できる機会をいただけて感謝です」と笑顔を見せた。

 大阪市天王寺区四天王寺高校の講堂には、中学生を含めてコーラス部員46人が集まった。2年生5人は、選手権大会が開かれていれば開会式で合唱隊に加わるはずだった。

 指導する武田有里子教諭の助言で、甲子園の大舞台をイメージして歌った。部長の田中優花さん(2年)は「久しぶりにみんなで歌えて良かった」。持永春香さん(同)は「甲子園をイメージして歌った」と笑顔を見せた。

 岐阜県大垣市の大垣女子短期大学2年の河合祐花さん(20)は午前10時10分、校舎4階の屋外庭園で動画の撮影に臨み、甲子園がある西南西の方角に向かってピッコロを奏でた。

 河合さんは宇都宮市作新学院高校吹奏楽部員として一昨年まで3年連続、夏の甲子園で演奏した。コロナ禍で演奏の機会を失った母校の後輩たちが公開したリモート演奏の動画から勇気をもらい、この日の演奏に恩返しの気持ちを込めた。

 屋外での演奏を終えた河合さんは、汗を額ににじませて「自分の思いは甲子園に届いたと思います」と話した。

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 投稿された演奏動画は、編集したものを「バーチャル高校野球」(https://vk.sportsbull.jp/koshien/別ウインドウで開きます)で視聴できる。(加藤真太郎、八鍬耕造、松永佳伸)

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