レバノン反政府デモ、外務省など一時占拠 700人負傷

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飯島健太
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 爆薬の原料に使われる硝酸アンモニウムの大爆発で158人が死亡した中東レバノンの首都ベイルートで8日夕、政府の無策に抗議する数千人規模のデモ隊が治安部隊と衝突し、1人が死亡、700人以上が負傷する騒乱状態になった。デモ隊は外務省など複数の政府庁舎を一時占拠。国家統治を揺るがす事態に発展した。

 地元メディアによると、デモは「報復の土曜日」と名付けてSNSを通じて呼びかけられ、国会近くの「殉教者広場」で始まった。爆発現場から約1・5キロの距離にあり、周辺の壊れた建物や散乱したがれきが手つかずなままだ。

 デモ隊の一部は、国会や政府庁舎に侵入を試み、遮ろうとする治安部隊がゴム弾や催涙弾を発砲。デモ隊は投石や放火で応酬した。死亡が確認されたのは警察官で、デモ隊に追いかけられ、転落死したという。負傷者は少なくとも728人に上った。爆発による負傷者約6千人をすでに抱えていた医療体制はパンク状態で、治療がどこまで行われているか不透明だ。

 午後7時ごろには、退役軍人らが率いるデモ隊の一部が外務省に入り込んで占拠。「革命の本拠地にする」と宣言し、「体制を引きずり下ろせ」と叫んだ。経済省や環境省、エネルギー省、銀行協会本部にもデモ隊が押し入り、一部の建物に放火した。その後、重武装の軍部隊が出動し、約3時間後に強制排除した。

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 デモの圧力が高まる中、国営…

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