元TBS記者、福島でスクープ でも「テレビは危機」

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聞き手・三浦英之
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 表現の自由や情報公開に貢献した人に贈られる「日隅(ひずみ)一雄・情報流通促進賞」の特別賞に5月、福島県内のテレビ局「テレビユー福島」の木田修作記者(35)が選ばれた。大学卒業後に入社したTBSを辞め、福島県に移住した経歴を持つ異色の記者だ。変わりゆくテレビの現場で今何を感じているのか。

 ――特別賞を受賞したのは、原発事故による自主避難者の「住宅提供打ち切り問題」の報道でした。

 「国家公務員住宅に住む自主避難者は、2019年3月に福島県から退去を求められた。避難者や支援者からは住宅提供を打ち切らないでほしいという要望があったが、結果的に受け入れられなかった。国は『県から要望があれば延長する』としていたが、県は要望しなかった。家主の国が要望があれば貸すと言っているのに、また貸しの県が厳しい態度をとっているのが腑(ふ)に落ちなかった」

 ――どのような手法で取材を進めましたか。

 「原発事故で避難した人たちへの対応が本当にこれでよかったのか、意思決定の過程などを一つ一つ検証する必要があると思った。情報公開請求をしたところ、県は当初、住宅提供の打ち切りに難色を示していたことや、財務省が期限を設定するよう求めていたことがわかった。国は『要望があれば延長する』と言いながら、その期限を求めていた形だった」

 ――元TBS記者です。福島に来たきっかけは。

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 「大学卒業後、10年4月に…

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