第6回「なんかおかしいよね」 たまる地方の不満、党員も減少

有料記事自民党 長期政権の果てに

野平悠一 松山尚幹
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 安倍晋三首相自民党総裁としての任期の終わりが見え、自民党は節目を迎えています。「1強政治」を支えてきた党の変容と実像を追う連載「自民党 長期政権の果てに」。最終回となる第6回は、「国民政党」を標榜(ひょうぼう)する党を支えてきた地方の疲弊を取り上げます。

 総力結集 120万党員達成へ――。真っ赤な下地に白抜き文字で党員獲得を呼びかけるポスターがいたる所に貼られた東京・永田町の自民党本部。その中枢にある党幹事長室に8月3日、20人を超える議員が次々と訪れた。

 催されていたのは、2018年の党員獲得数上位者への表彰式。「これからもよろしくお願いします」。幹事長の二階俊博は、国会対策委員長森山裕らベテランから当選3回の若手まで、集った一人ひとりに深々と頭を下げて「金一封」を手渡した。

 ただ、2年連続で表彰された若手の口から漏れたのは、喜びではなく現状への不満だった。「地方、党員があってこその自民党。それが分かっていない国会議員が多すぎる」

 党員は、総裁選をはじめとする党の活動に参加できる資格だ。一般党員は年4千円を払う必要があり、いざ選挙となれば運動の実動部隊にもなる。その数は、昨年108万6千人余り。前年比1・3%減となり、2012年末に発足した第2次安倍政権で初の減少に転じた。

写真・図版

 党員数は、党の足腰の強さを測る指標の一つとなる。1991年には546・5万人を数えたこともある党員を一人でも増やすことが、二階の使命でもある。今年3月の両院議員総会では「総力を結集し数字を回復し、120万人の目標に向けて頑張ろう」と意気込みを語った。

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 なぜ、党員数が減少に転じた…

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