仲良し家族を追い詰めた生活苦 双子姉妹が残した手紙

有料記事きょうも傍聴席にいます。

小手川太朗 飯島啓史 長屋護
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 「この手紙を読んでいると言うことは、私はもうこの世にいません」。容姿がそっくりな中学2年の双子の姉妹と、自衛隊に憧れていた中学3年の兄。3人のきょうだいはこんな内容を書き残し、父親同然だった男(51)に母とともに命を絶たれた。今年1月、福島県いわき市で起きた家庭内の殺人事件。ただ、きょうだいは殺されることを承諾していたという。仲むつまじいと周囲に評判だった一家に何があったのか。

 6月3日。福島地裁いわき支部で男の初公判があった。男は紺色のジャージー姿で入廷し、落ち着かない様子で法廷内を見回した。逮捕時には肩ほどの長さだった髪は短く刈り込まれ、裁判官に起訴内容を認めるか問われると、淡々と「はい」とだけ答えた。

 男は1月21日夜から22日未明、福島県いわき市の山あいの公園の駐車場にとめた車の中で、依頼を受けて内縁の妻(当時43)を殺害。妻の子どもで中学3年の三男(同15)、中学2年で双子の次女と三女(同13)の承諾を得て、首を包丁で刺すなどして殺したとして起訴された。

    ◇

 検察の冒頭陳述や被告人質問の内容などから事件の経緯をたどる。

 男はいわき市で生まれ育った…

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きょうも傍聴席にいます。

きょうも傍聴席にいます。

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