ふるさと納税39億集めた港町 バブルは汚職ではじけた

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湯川うらら 加藤秀彬 今林弘
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 高知県奈半利(なはり)町のふるさと納税の返礼品を巡る汚職事件で、贈賄罪などに問われた水産会社長の松村通成被告(30)の初公判が5日、高知地裁(吉井広幸裁判長)であった。松村被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状によると、松村被告は返礼品「アーモンド小魚」の取り扱いの優遇を求め、ふるさと納税担当だった町地方創生課の元課長補佐の柏木雄太被告(41)=受託収賄罪などで起訴、休職中=らに見返りとして2018年9月~19年2月、現金計約180万円を渡したとされる。

 検察側は冒頭陳述で、松村被告は知人の柏木被告に誘われて返礼品業務に参入し、業者の中で最も多く発注を受けたと指摘。町は松村被告に返礼品として「アーモンド小魚」を発注していたが、検察側は賄賂の額について「発注1件あたり500円」と主張した。

 同町では、寄付額に対して返礼品の経費が高騰していた。検察側は、賄賂も経費として町に請求していたとする、松村被告の親族の供述調書を提出した。

 柏木被告のほか、地方創生課元課長の森岡克博被告(45)=休職中=も受託収賄罪などで起訴されている。贈賄側も含め、起訴された計7人の中で公判は今回が初めて。柏木被告への賄賂の立件額は総額約9377万円に上る。(湯川うらら)

人口3千人の町に起きた返礼品バブル

 奈半利町ではふるさと納税の審査書類への虚偽記載も発覚し、7月、全国で初めて指定を取り消された。返礼品バブルに沸いた人口約3千人の港町はいま、ひっそりと静まりかえっている。

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