ベイルートで爆発、100人超死亡 火薬原料に引火か

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飯島健太 ワシントン=渡辺丘 イスタンブール=其山史晃
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 中東レバノンの首都ベイルートで4日午後6時(日本時間5日午前0時)すぎ、非常に大きな爆発が起きた。地元メディアによると、死者は113人、負傷者は日本人1人を含む4千人を超え、さらに増える可能性がある。被害は現場から半径数キロに及んでいる。

 SNSに投稿された映像によると、ベイルート北部の港湾地区で、最初の小規模な爆発で白煙が上がった後、はるかに大きな爆発が起き、強い衝撃波をともなった爆風が広範囲に押し寄せ、赤っぽい巨大な煙が上空に立ち上った。現地からの報道によると、爆風により、数キロ先まで被害が及び、約30万人が避難を強いられているという。

 レバノンのディアブ首相は4日夜、国防会議を緊急招集。爆発が起きたのは倉庫で、当局が船の積み荷として押収した硝酸アンモニウム2750トンが6年前から保管されていたと明らかにした。火薬の原料にもなる硝酸アンモニウムに何らかの原因で引火し、爆発したとみている。地元メディアは、近くで溶接作業が行われていたと伝えた。ディアブ氏は「爆発の責任者を厳罰に処す」と述べ、保管上の安全対策が不十分だったとの見方を示した。

 一方、トランプ米大統領は4日の記者会見で「軍高官によれば、何らかの爆弾による攻撃と考えているようだ」と発言。レバノンの情報機関トップのイブラヒミ少将は「調査を待たなければいけないが、テロ行為だったと推測しないよう警告する」と述べた。

 硝酸アンモニウムは化学肥料の原料にも使われるが、爆発しやすいため、保管や輸送には厳重な管理が求められる。爆発事故は2013年の米テキサス州や15年の中国・天津でも相次ぎ、多数の死傷者が出た。米ワシントン・ポストは専門家の話として、保管されていた硝酸アンモニウムの量は、数百トンのTNT火薬に相当すると伝えた。大規模な爆弾テロで使われる火薬は1~10トン程度とされ、今回爆発した量は桁違いに大きい。

「助け求める通報が絶えない」

 英BBCなどの映像では、現場近くの建物は骨組みだけとなり、周辺では建物の残骸や大破した車が路上を埋めた。血を流した住民らが逃げ惑う姿もうかがえた。

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 レバノンのハッサン公衆衛生

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