市民襲撃は処分対象に「ならない」 工藤会トップ公判

有料記事裁かれる工藤会

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 四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた特定危険指定暴力団工藤会の最高幹部2人の第54回公判が4日、福岡地裁であり、福岡県警の元警部が銃撃された事件の被告人質問が始まった。トップで総裁の野村悟被告(73)は事件の指示や承諾について「ありません」と述べ、関与を否定した。

 事件は2012年4月に発生。元警部が北九州市の路上で足などを撃たれた。検察側は元警部が野村被告を非難する録音データで発言を知った野村被告が不快感を抱き、ナンバー2で会長の田上不美夫被告(64)と襲撃を決めたとみる。野村被告は事件前、元警部と会ったゴルフ場で「最後に悪いもん残したな」と述べたという証言がある。

 だが、野村被告はこの証言を「絶対そんなことありません。悪いもんて何か分からんです」と否定。「目の敵にしてたらしいな」「信用しとったのにそんなことしたらつまらんばい」と語ったとの証言についても「一切ありません」とした。

 元警部とは付き合いが長かったとして他の警察官とは「親しみが違うとった」と語った。事件当時はすでに「隠居の立場」とも強調。「飾り。何の権限もない」「引退すれば誰とも会うことがない。余生が寂し過ぎるから、おらしてもろうとるとです」と語った。

 ただ、事件への工藤会の関与を考えなかったか問われると「ひょっとしたらとは思った」と述べつつ、「いちいち上のもんに『こういう事件を起こす』という者はいません」とした。

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 堅気を銃や刃物で傷つけるこ…

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