結婚直前に「実は養子」と親の告白 実母探した旅の末に

有料記事

編集委員・石橋英昭
[PR]

 宮城県塩釜市に住む長谷部さちこさん(34)は2年前、両親から「実はあなたは私たちの子ではない」と打ち明けられた。実の親が育てられない子と、子が欲しくても持てない夫婦とを結ぶ「特別養子縁組」で、親子になったという。その日から答えを探し続けている。家族って何?

 好きな男性ができ、結婚が決まった。それがきっかけだった。

 一昨年6月、ホテルの一室で、父親が特別養子縁組のことを切り出した。「2歳のさちこを養子にとると決めてから、他人の子と思ったことは一度もない」とも。実の母親については「さちこを育てたかったが体が弱く、泣く泣く手放したんだ」と説明した。母親は黙ってうつむいていた。

 青天のへきれき。パニック。号泣した。

 結婚で取り寄せた戸籍の出生欄には、確かに「民法817条の2による裁判確定日」という記載がある。愛情を注いで育ててくれた2人には感謝しかない。

 でも私は誰に似てるの? 私はいったい誰?

 挙式が近づき、心はまた乱れた。式の最後「生んでくれてありがとう」を言える相手がいない。普通ならスライドで映す赤ちゃんの時の写真も、ない。

 モヤモヤを晴らすためにも、過去に向き合わなきゃと思った。実母を捜し、結婚の報告もしたい――。

 まず生まれ育った県の児童相談所に問い合わせた。

ここから続き

 古い記録は保管していないと…

この記事は有料記事です。残り983文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら