岩手)道ばたの墓に非戦誓う 母子悼む「千三忌」

有料記事戦後75年特集

溝口太郎
[PR]

 岩手県北上市和賀町の県道脇ぎりぎりに、「南無阿弥陀仏」と正面に刻まれた墓がある。「息子が忘れられぬように」。戦死した兵士の母が、万感の思いを込めて建てたその墓の前で、今も非戦を誓い、平和を祈り続ける人たちがいる。

 墓の主の名は、側面に小さく記されている。「故陸軍兵長 高橋千三 昭和十九年十一月四日 ニューギニヤにて戦死」

 65年前の1955年、千三の母、高橋セキが建てた。28歳で夫は亡くなり、苦労して育てた一人息子の千三は、44年11月4日、マラリアが蔓延(まんえん)するニューギニアの密林で戦病死した。23歳だった。

ここから続き

 千三が入隊した陸軍第36師…

この記事は有料記事です。残り794文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

戦後75年特集

戦後75年特集

2020年は終戦75年の節目です。あの時のことを語れる人は減ってきています。まだ、間に合います。戦争を知る人々からのバトン、受け取りませんか。[もっと見る]