香港議会選が1年延期に 理由はコロナ、でも本当は?

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香港=益満雄一郎
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 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9月6日の立法会(議会)選挙を1年延期し、来年9月5日に実施すると7月31日に発表した。新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由に挙げた。民主派は「敗北を避けるための口実だ」などと反発しており、香港の民主化は大きな曲がり角を迎えた。

 「7カ月にわたるコロナとの闘いの中で最も苦渋の決断だった」。林鄭氏は31日の記者会見でこう訴えた。感染が短期間に収束する見通しが立たないことなどを延期の理由とした。

 7月18日に始まった立候補の受け付けは31日に締め切られ、200人超が届け出たとみられる。だが、すべての立候補はいったん無効になる見通し。

 立法会条例は選挙を延期できる期間を、最長2週間としている。政府は1年延長を実現するため、「公共の安全に危害が及ぶ状態」などと認めた場合に超法規的措置が可能になる「緊急状況規則条例(緊急法)」を発動するとした。

 香港では7月半ば以降、1日の新規感染者が100人を超える状況が続く。一時は飲食店内での食事が終日禁止されるなどの対策がとられ、厳しい選挙戦が予想される親中派から延期を求める声が強まっていた。

 林鄭氏は会見で、海外でも選挙の延期が相次いでいるとして理解を求めたが、コロナ禍の中でも予定通り実施した国も少なくない。韓国では4月に総選挙があり、日本でも7月に東京都知事選挙が行われた。

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 香港政府はもともと、昨年の…

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