変わらぬ中国に見切り 米国が探る「幻想なき共存関係」

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ワシントン=大島隆
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 米中関係が悪化するなか、米国の対中国政策が曲がり角を迎えている。過去半世紀近くにわたって歴代政権が基本に据えてきた、中国と一定の関係を保持しながら変化を促す「関与政策」について、ポンペオ米国務長官は「失敗に終わった」として決別を宣言。11月の大統領選で民主党バイデン前副大統領が勝利したとしても、従来の関与政策とは違ったアプローチを取りそうだ。

 「(歴代の)政策当局者は、中国が繁栄すれば自由で友好的な国になると予測したが、関与は変化をもたらさなかった」

 ポンペオ氏は7月23日、中国政策についての演説でこう語った。トランプ政権の高官が、6月から毎週のように続けてきた、対中批判演説の締めくくりだった。

 ニクソン大統領(共和党)の1972年の電撃訪中以来、米国の歴代政権は中国を孤立させず、関与し続ける政策をとってきた。そこには、中国が経済的に成長すれば政治の自由化が進むという期待と、国際社会の一員として責任ある行動を促す狙いがあった。米国の政策当局者らが中国の進む方向性を「シェイプ(形成する)」と表現してきたのは、こうした意図を象徴する。

 これに対し、強硬派のポンペオ氏やオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)の演説に色濃くにじむのは、中国の政治体制への不信感であり、「民主主義国家と全体主義国家は相いれない」というメッセージだ。もっとも、これは変化をあきらめるということでなく、「別の方法で中国を変える」との宣言とも言える。

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 トランプ政権の対中強硬政策…

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