第6回ブルーベリーがたわわに実る丘 そこは東京湾要塞だった

【動画】東京湾要塞跡が残る果樹園
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 7月の連休中の25日、神奈川県横須賀市果樹園「ファーマシーガーデン浦賀」。海の見える斜面を、家族連れら約40人が列をつくって登った。丘陵にはブルーベリーやレモンなどが栽培され、高台を登り切れば東京湾が見晴らせる。

 ピクニックのようにも見えるが、訪れていたのは1895(明治28)年に造られた旧日本軍の「千代ケ崎砲台」の跡地だ。園内には、戦艦「鹿島」の主砲を陸上砲台に転用した1925(大正14)年完成の「砲塔砲台跡」など、東京湾要塞(ようさい)の一角を担った戦跡8カ所が残されている。

 見学者は約1時間、ガイドの説明を聞きながら、観測所の暗い地下道を歩いたり、斜面に残るコンクリート造りの弾薬庫の中に入ったりした。見学の前後には、ブルーベリー狩りも楽しんだ。近くに住んでいる今田佳代さん(56)は「ここに史跡があるなんて知らなかったので、来てみて驚きました」。

 園が砲台跡地の一部を取得したのは19年前。山や海に囲まれた自然をいかした観光農園を開く一方で、園内に残る戦跡を次の世代に伝えていこうと、週末を中心に予約制の戦跡ツアーを始めた。

空からみた戦跡

朝日新聞デジタルでは戦後75年に向け、全国に残る戦跡をドローン撮影した動画を随時配信していきます。第3回の「和歌山県・軍事要塞の島の砲台跡」はこちらから

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 広大な自然と歴史的建造物が…

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