3カ月で7億円寄付も 伸びるクラウドファンディング

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専門記者・木村裕明
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インターネットで不特定多数から資金を集めるクラウドファンディング(CF)の利用が急増している。資金を迅速に調達したい事業者と、資金の出し手がともに増え、すそ野を広げる取り組みも普及を後押ししている。日本に寄付文化が根付く転機になるか。

 CF大手のCAMPFIRE(キャンプファイヤー)は2月末から、コロナ禍で客足が遠のいた飲食店、イベントが中止になったアーティストなど、収益が大幅に減った中小事業者や個人を支援するプログラムを始めた。この機にCFの認知度を高めて利用者のすそ野を広げようと、もうけは度外視。通常は支援金の12%にあたるサービス手数料をゼロにし、KDDIの協力で7月の申請分は5%の決済手数料もゼロに。手数料を一切とらず、初めてでも使いやすくした。

 横浜アリーナでのライブが中止になったヒップホップアーティストが3月に8千万円弱を集めたのを機に利用が拡大。開始から5カ月で約2890のプロジェクトに対し、のべ約62万人が計約71億円を支援した。初めてCFを利用する人が多く、8割を占める。首都圏以外からの利用も増え、全国的な広がりも出ている。苦しい経営を強いられているプロバスケットボールBリーグの複数のチームも利用した。プログラムは7月末まで申請を受け付けた。詳しくはhttps://camp-fire.jp/channels/covid-19-support別ウインドウで開きますへ。

 プログラムの伸びが寄与して同社の5月の取扱額は前年同月比5・9倍の約39億円に急増。単月の最高額を塗り替えた。同社経営企画本部の大畑広太マネージャーは「CFを体験する人が増えれば、その紹介で利用者がさらに増えることが期待できる」と話す。

 同社の調べによると、CF市場(出資の返礼がある購入型)の6月の取扱額は前年同月比4・5倍の約61億円に伸びた。サイバーエージェント子会社のCF大手Makuake(マクアケ)も、今年4~6月期の利用件数と集まった資金額がともに四半期ベースで2013年の創業以来最高を更新した。

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