延期で「犠牲」続く日々 でも、東京五輪で夢かなえたい

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構成・遠田寛生
アフリカ・ベナンのボート選手では初の五輪出場を決めたプリベル・ヒンカティが、東京五輪への思いなどを語った。
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史上初めての延期に見舞われた東京五輪まであと1年を切った。戸惑いながらも、開催を信じて練習に励む各国の選手たち。彼らの「いま」を聞いた。

プリベル・ヒンカティ(ベナン、ボート)

 五輪出場は長年の夢です。延期が決まった日は鮮明に覚えています。仕事から帰ってくると、10秒おきぐらいにメッセージが届きました。開幕までもうすぐだったので気持ちを切り替えるのが難しかったです。

 ベナンは観光客も少ないので感染はそこまで広がっていません。今はフランスにいるので、都市封鎖を経験しました。

ベナンは「より大きな挑戦」

 トレーニングは家のガレージにこもってローイングマシンをこぐ毎日でした。朝は午前6時からなので、戸を開けていたら近所迷惑になる。閉めきってやっていました。単調でつまらないメニューですが、強くなれると言い聞かせました。

 五輪に憧れたきっかけは2003年、パリで行われた陸上の世界選手権です。会場の雰囲気がすごくて圧倒された。一緒にいた姉と次は五輪を見ようとなりました。お金を集める街のプロジェクトに参加し、08年北京五輪と12年ロンドン五輪を観戦できた。ロンドン大会中に決めたんです。「五輪選手になる」って。

 姉からは「フランスとベナン、どっち?」と聞かれました。同じぐらい愛着があるので悩みました。ベナンに決めたのは、五輪を経験した選手が少なく、より大きな挑戦になると感じたからです。

スポンサー探し、資金繰り…厳しい延期

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 東京五輪出場を決めた瞬間は…

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