史上初めての延期に見舞われた東京五輪まであと1年を切った。戸惑いながらも、開催を信じて練習に励む各国の選手たち。彼らの「いま」を聞いた。
パブロス・コンティデス(キプロス、セーリング)
欧州が次々と都市封鎖した3月、私はコーチのいるクロアチアにいました。イタリアで感染が拡大し、欧州全体に広がった。あの緊張感から、東京五輪の延期は予想できていました。
判断は正しかったでしょう。五輪は世界中から集まる何百万人という人を一つにできるスポーツ最大の祭典です。東京に観客が来られないどころか、選手は十分な練習ができず、五輪の選考会も実施できていない状況です。
都市封鎖で海に出られず
都市封鎖で選手にとって最も厳しかったのは、通常の練習ができなかったことでしょう。本来ならば色々なメニューをこなして成長を実感できるはずが、制限された環境では望むほどの効果は得にくいのです。
私はセーリングの選手なので、長期間海に出られないことがつらかった。自粛期間はアパートで自転車をこいだり、ボート上の体勢を意識して筋肉を鍛えたりして過ごしました。
一方で当たり前に思えていたわずかなことが、幸せに感じられました。感謝の気持ちを気づかせてくれた時間でもありました。
信じたい、人類の可能性
来夏に東京五輪が開催できる…
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