常磐道あおり運転初公判 宮崎被告、起訴内容を認める

有料記事

佐々木凌
[PR]

 昨年7~8月、茨城県守谷市常磐道など3県の高速道路であおり運転を繰り返したとして、強要などの罪に問われた住居不定、会社役員宮崎文夫被告(44)の初公判が27日、水戸地裁(結城剛行裁判長)であった。宮崎被告は「違っているところはありません」と起訴内容をすべて認めた。

 検察側は冒頭陳述で、三つの事件に共通する動機として「被告が前方の車両に進路を妨害されたと感じ、腹を立てた」と指摘。宮崎被告は被告人質問で、あおり運転をした当時の心境について「(被害者の運転で)嫌な思いをすることを分かってもらい、危険な運転をする人がいなくなってほしいと思った」と述べた上で、「いま振り返るとやりすぎだった。怖い思い、痛い思いをさせて申し訳ない」と謝罪した。

 また、検察側は証拠調べで、宮崎被告が2006年にも高速道路上で他の車を止めさせ、運転している人に暴行を加えたとして、暴行罪で略式命令を受けたと説明。起訴前の精神鑑定で、他人が悪意を持っていると疑う傾向がある「パーソナリティー障害」の一種との診断を受けたことも明らかにした。

 法廷では、宮崎被告のあおり運転や暴行を記録したドライブレコーダーの映像も証拠として流された。宮崎被告は弁護人からの質問に答え、「今思うと嫌がらせをされたというのは思い込みだったかもしれない。重大な事故が起きていてもおかしくない行為で、被害者に怖い思いをさせた」と弁明。「ドライブレコーダーの映像が報じられ、日本中を恐怖の渦に巻き込んだ責任を痛感しております。本当に申し訳ありませんでした」と、傍聴席に向かって深々と頭を下げた。

 免許を取り消された宮崎被告は今後、再取得するかどうかについて「車が好きなのでいずれは取りたくなると思う。信じてもらえないかもしれないが、今回のことを反省し、安全運転の模範になるくらいの存在になりたい」と語った。

 事件当時はあおり運転そのものを処罰する法律がなく、罰金刑がある道路交通法違反や暴行罪が適用されるケースが多かったが、検察は3件すべてで懲役刑を科せる強要罪を適用した。常磐道の事件では、停車後に被害者の男性を殴ったとする傷害罪にも問われている。

 起訴状によると、宮崎被告は昨年7~8月、浜松市の東名高速、愛知県岡崎市の新東名高速、茨城県の常磐道の3カ所で、自身の乗用車を他の車両の前に割り込ませ、急に減速するなどして停車させたり、急ブレーキをかけさせたりしたとされる。

 宮崎被告の車に同乗し、暴行の模様を携帯電話で撮影していた女性は、犯人隠避の罪で罰金30万円の略式命令を受けている。(佐々木凌)

ここから続き

■事件の経緯 …

この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら