安全保障と月探査が科学探査を圧迫か 宇宙計画に懸念

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石倉徹也
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 政府が6月、日本の宇宙政策の方針を定める宇宙基本計画を改定し、日米同盟の強化に向けて安全保障を重視する方針を強く打ち出した。米国が主導する有人月探査計画に政府一丸となって取り組むことも盛り込んだ。だが、巨額になるとみられる費用を宇宙予算のなかでどう確保するのかは不透明なままで、無人探査や天体観測といった科学予算が圧迫されるのではと懸念が出ている。石倉徹也

宇宙基本計画を改定

 「今後の宇宙安全保障や経済成長も見据え、次なる時代の戦略分野にも大胆に投資をしていく」。安倍晋三首相は6月29日、宇宙開発戦略本部の本部長として宇宙基本計画の改定を決め、会議を締めくくった。

 今回改定した計画は、本文中に「安全保障」が40回以上登場する。「宇宙を戦闘領域や作戦領域に位置づける動きが広がっている」とし、「平時から有事までのあらゆる段階で宇宙利用の優位を確保する」と踏み込んだ。

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 具体的には、事実上の偵察衛…

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