安楽死は患者の「生きたい」否定する 定年後発症の男性

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佐藤美千代 花房吾早子
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 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者が薬物を投与されて殺害されたとされる事件は、同じ難病患者らに波紋を広げた。誰もが当たり前に生きるために、社会はどうあるべきなのか。事件は重い問いを突きつけている。

 患者や家族でつくる「日本ALS協会」近畿ブロック会長の増田英明さん(76)=京都市=は、定年退職後の2004年ごろにALSを発症した。「孫の成長を見守ってほしい」という娘の言葉に勇気づけられ、人工呼吸器を装着した。

 現在は24時間、介護サービスを利用し、自宅で暮らす。朝日新聞が事件についての考えを尋ねたところ、メールで返答を寄せた。(佐藤美千代)

「私たちの生を否定しないでほしい」 増田さんからのメール

 報道をみて驚いていると同時に、ついに起きてしまったか、という思いです。女性は、安楽死を望んでいると語っていたようです。

 彼女がその意向を持ち、そのことについて強い希望をもって何度も語ったことは不思議でありません。そしてまた、私たちALS患者は、生きたいと強く表明しなければ生きられません。

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 生きることが当たり前の社会…

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