人命、家屋、インフラ施設など甚大な被害が出た記録的な豪雨。各地で関係機関による懸命な救助・救出作業が進められたが、対象には貴重な種豚16頭を含む豚27頭も含まれていた。
熊本県球磨村で16日、孤立した豚27頭が自衛隊のヘリコプターで1頭ずつ救出された。県によると、被災した農場は県内で唯一、民間で種豚を育てていた。足が丈夫で肉質も優秀。農林水産大臣賞を受けたこともあり、貴重で県内外で人気が高かった。
農場主の淋(そそぎ)博道さん(66)は4日朝、家のそばの国道に豚が逃げ出していたのを見て、三つある豚舎のうち一つが被災したことが分かった。豚舎までの唯一の道は土砂崩れで車両が通れなくなったため、斜面を駆け上がって様子を見に行った。鉄砲水が直撃したとみられ、土砂が積もり、20頭以上の豚が残されていた。
「絶対に死なすわけにいかん」…