現地社長が半年不在 駐在員、中国への高すぎるハードル

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広州=奥寺淳
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 新型コロナウイルスが最初に広がった中国から日本に一時帰国し、任地に帰れなかった日系企業の駐在員らが徐々に中国へ戻り始めている。海外に進出する日系企業の4割超(約3万3千社)が中国に集中しており、企業の経営を懸念した現地の日本商工会などが臨時便をチャーターする動きも出ている。ただ、人の往来を元に戻すためには、PCR検査体制の充実や国内の流行抑制など、越えるべきハードルは多い。

現地商工会が臨時便をチャーター

 7月10日午前、がらんとした成田空港第2ターミナル。土産物売り場やレストランは新型コロナの影響で臨時休業し、出発便を告げる電光掲示板には「欠航」の赤い文字が並んでいた。そんな中で唯一、日本航空のカウンター前には、スーツケースや段ボールを手押しカートに山積みにした乗客が列を作っていた。中国の広州日本商工会がチャーターした臨時便「JL8875便」に搭乗する日本企業の中国駐在員やその家族らだ。同便は、コロナ禍以降、日本の航空会社が初めて駐在員を中国に戻すために飛ばす臨時便という。

 同商工会によると、搭乗したのは広東省に合弁工場がある日産自動車など日本企業50社以上の159人。多くが1月の春節にあわせて日本に一時帰国したものの、中国での流行を受け、戻れなくなった人たちだ。小さい子供を連れ、「2月初旬に戻る予定が、半年近くも戻れなかった」と話す母親が何人もいた。

 4月1日付で広州に赴任するはずだった記者も、3カ月余り遅れて現地に向かうためこの便に乗った。

ビジネスに深刻な悪影響

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