「Go To トラベル」が22日、始まった。観光の起爆剤として期待されたが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京は直前に対象外になり、登録を希望する旅行業者らへの説明会も始まったばかり。各地で観光に携わる人にとって、不安や戸惑いを抱えながらのスタートとなった。
人気観光地の栃木・日光は、静かな朝を迎えた。イベントの初日には、日光市女将(おかみ)の会メンバーが和服姿で観光客を出迎えるのが恒例だったが、感染防止のため取りやめた。午前11時すぎ、東武日光駅に東京・浅草発の特急電車が到着すると、約50人の観光客が降り立った。1人は「久しぶりの連休だし、にぎわっていると思ったのに……」。
鬼怒川温泉で130年の歴史を持つ「あさやホテル」(192室)は、感染対策を徹底。宿泊者にマスクの着用や消毒、検温を義務づけ、チェックインも通常のカウンターではなく、間隔をあけてロビーに机を並べた。ビュッフェ形式の食事や温泉などで密になることを避けるため、予約は定員の7割ほどに抑えた。
「Go To」から東京が除外された翌日には、ネット経由で約200件のキャンセルが出た。栃木県が県民向けの独自支援策として宿泊費の一部を助成する「県民一家族一旅行」で、約1千件の予約が入っているという。
阿久津正史総支配人は「東京の感染者数が観光に出かける目安になっているようだ。館内でお土産がさっぱり売れないのも初めての経験。『旅行に行ってきました』と言いづらい世の中になっているのではないでしょうか」と話す。
「この時期によいのか…」観光業の戸惑い
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