払い戻し、休会費…コロナ絡みのお金問題を弁護士に聞く

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聞き手・前田朱莉亜
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 定期券や年間パスポートの払い戻しはできるのか、旅行代金や飲食店の予約のキャンセル料は通常通り払わなければならないのか。スポーツジムの休会費って――?。新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、私たちの生活にかかわる契約ごとにも、普段なら起こらないような様々なお金の悩みが生じています。消費生活センターなどに相談が寄せられている事例をもとに、弁護士の本間紀子さん(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長)に聞きました。

定期券の払い戻し 計算方法は2通り

 Q 電車通勤をしていましたが、リモートワークになって通勤定期券が必要なくなりました。払い戻しをしようと考えています。

写真・図版

 A 定期券の払い戻し計算方法は、鉄道会社ごとに決まりがあります。代表的な計算方法は、キャンセルを申し出た日によって2通りにわかれます。

 ①有効期間初日から7日目までのキャンセルの場合には、経過日数分の日割り計算額を定期券運賃額から差し引いた残額を払い戻す

 ②8日目以降は、キャンセルを申し出るまでの期間について、1カ月未満の日数は1カ月に切り上げて経過月数を算定し、購入時の金額から経過月数分の定期券運賃額を差し引く

 後者の場合、日割り計算ではありません。たとえば、4月1日から有効の6カ月定期を購入し、5月1日にキャンセルを申し出た場合は、使用済み期間の計算は「2カ月」となり、1カ月定期購入額の2倍の金額が当初の定期券購入額から差し引かれることになります。キャンセルを9月1日に申し出た場合はその時点で「満期」とみなされ、払い戻しはありません。

 新型コロナウイルスの影響で急に在宅勤務が始まった人も多いと思います。そうした事情を考慮し、「緊急事態宣言が出された4月7日にキャンセル申し出があった」として一律に取り扱うなどの対応をとり、平常時よりも購入者に有利な払い戻し計算をしている鉄道会社もあります。お使いの鉄道会社の窓口やホームページで確認してみてください。

スポーツジム「休会」の範囲は?

 Q 通っていたスポーツジムが新型コロナウイルスの影響で一時的に閉鎖しましたが、閉鎖期間中に休会費を請求されました。支払わなければなりませんか。

 A 一般的に休会とは会員の意思による場合をいうものと考えられます。新型コロナの感染対策が理由とはいえ、スポーツジム側の都合で閉鎖する場合は休会にはあたらないことから、休会費を支払う必要はありません。

 では、規約に「休会には閉鎖の場合も含む」と書かれている場合はどうでしょうか。

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