味はよかったけど、あとでおなかをこわしたからもう苦手――。そんな食べものでも、いつの間にかまた、おいしく食べられるようになることがある。
どうしてそのようなことが起こるのか。大阪大歯学研究科の豊田博紀准教授(神経科学)が苦手な食べ物を克服するしくみの解明に取り組んでいる。
一度嫌いになった食べものを好きになるのは、味覚にかかわる脳の働きに変化が起きるからに違いない。そう考えた豊田さんが注目するのは、脳の大脳皮質の一部、「島皮質」という領域の神経活動だ。
ここには舌や口の粘膜で感知した味覚の情報が集まってくる。ソムリエがいろいろなワインの微妙な味を区別できるのも、この領域の機能がかかわっていると考えられている。
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豊田さんはさらに、島皮質で…
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