道寸断、83歳は歩いて進む 知人に花を手向けるために

有料記事九州豪雨

金子淳
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 熊本県球磨(くま)村一勝地の大坂間(おおさかま)集落。4日の記録的な豪雨で、JR肥薩線の球泉洞駅と球磨川の間にあった2軒は流され、5人が犠牲になった。同集落の大坂間美智子さん(83)らは20日、2軒の家があった場所付近を訪れ、花を供えて手を合わせた。

 大坂間さんは18歳で嫁いで以来、この地で暮らしてきた。家は集落で上から2番目の高さの場所にあり、難を逃れたが、集落は孤立。4日に福岡県警のヘリで救出され、屋根しかない村総合運動公園の「さくらドーム」で2晩を過ごした。多良木町に再避難した後、今は八代(やつしろ)市の長女宅に身を寄せている。

 国道219号が一部開通したこともあり、「家がどうなっているか心配」、「亡くなった人たちに花を手向けたい」とこの日、長女らと避難後初めて自宅へ戻った。国道から車で県道304号線を球磨川沿いに進む。約3キロ手前で道路は土砂や流木でふさがれ、進めなくなった。車を降り、歩いた。

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 大坂間集落に入ると、フロン…

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