ファッションの世界巡る問い グッチ、おとぎ話の最終章

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編集委員・高橋牧子
【動画】GUCCI Contents provided by CNMI
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 グッチの会場は、ローマの荘厳な宮殿。新作の広告キャンペーンの撮影途中のライブ映像と共に、事前に撮った新作の写真とミックスしたユニークな映像をみせた。

 新作発表開始の6時間前から、会場の掃除やメイクアップの様子などの舞台裏をユーチューブで延々と計12時間にわたって配信。世界中から寄せられたチャットには「これが新しいファッションの形」、「グレート・アイデア」などとの言葉もあった。

 服を着るのは、プロのモデルではなく、グッチ社で婦人服や子供服、靴などを作っているデザイナーら。それぞれ個性的な風貌(ふうぼう)がグッチの独創的な服や小物とよく似合う。

 作品は、ヒッピーを思わせるレトロな1960~70年代調や、レインボーカラーのスーツ、ロマンチックなフリルのドレスなどいつものグッチらしいデザインが主流だった。性差を感じさせないムードも変わらない。

 ただ、背景に写るライブ会場の古めかしい建物内と新作のルックを着たモデルの静止写真、また同じルックを着た同じモデルの動画、電光掲示板風な文字や野菜の写真など多層なイメージが重なりあって、不思議な気分を誘う。これは現在か過去か、それとも未来なのか。リアルなのか、作りものなのか……。

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 今回のショーは「フェアリー…

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