6月20日、米南部オクラホマ州タルサで開かれたトランプ大統領の選挙集会には、数千人の支持者が集まった。大統領選に向けた世論調査で、民主党のバイデン前副大統領がトランプ氏をリードしていることを尋ねると、赤い帽子をかぶった一人は語気を強めた。
「世論調査の数字はうそだ。トランプ氏の再選を阻むため、ディープステートが陰謀を企てている」
「ディープステート」は「影の政府」といった意味合いだ。政権内の役人らがトランプ氏に抵抗し、政権の政策を妨害する動きなどを指す言葉として、トランプ氏自身も用いる。ただ、組織としての存在や、世論調査を操作しているということを示す根拠はない。
トランプ氏と支持者は、こうした陰謀論を好む。最近、熱心に唱えるのは「オバマゲート」だ。米国ではニクソン元大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件を機に、政治スキャンダルを「○○ゲート」と呼ぶことが一般的で、オバマゲートは文字どおり「オバマ前大統領にまつわるスキャンダル」というわけだ。
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トランプ氏はこのオバマゲー…
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