幻の開幕日、みんなで「栄冠」演奏しよう リモートで

関根光夫
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 コロナ禍で中止となった第102回全国高校野球選手権の開会式があるはずだった8月10日、それぞれの場所で大会歌「栄冠は君に輝く」を演奏しよう――。そんな企画が進んでいる。きっかけは宇都宮市立中学の先生のアイデアだった。

 「みんなで『栄冠は君に輝く』」(#みんなで栄冠、朝日新聞社主催)。8月10日午前、一斉に大会歌を演奏したり歌ったりして、その様子を動画に撮影、SNSに投稿するなどして同じ体験を共有しよう、という呼びかけだ。参加者の動画を集めて編集、インターネットで公開する計画もある。

 アイデアを朝日新聞社に寄せたのは、宇都宮市立宮の原中学校、吹奏楽部顧問の星弘敏さん(61)。今年は全日本吹奏楽コンクールの全国大会も、中止が決まっている。何かできることはないかと考えるうちに浮かんだのが、アニメ「天空の城ラピュタ」がテレビ放映されると起きる「バルス祭り」。主人公の呪文に合わせて、ファンがSNSで一斉に「バルス」と発信、一体感を得ているという。

 夏の甲子園大会の開会式で大会歌が流れるはずだった日に、全国の吹奏楽部や合唱部の部員、いや、野球と音楽が好きなすべての人が同時に演奏したら――。河原でトランペットを吹けば、対岸からクラリネットで同じメロディーが聞こえるかもしれない。通りかかった人が「天たかく、純白のたま……」と口ずさむかもしれない。想像が膨らんだ。

 「知らない人同士が全国で音を出して、心を一つにできれば」と星さん。8月10日には、甲子園で高校野球の交流試合が始まることも決まった。「その時」が楽しみだ。

    ◇

 「#みんなで栄冠」は、個人・グループを問わず誰でも参加できる。特設サイト(https://www.asahi.com/shimbun/eikan2020/)内の「本番用動画」(例年の開会式で演奏する神戸高、大阪・淀川工科高などが協力)に合わせて、8月10日午前10時10分、それぞれの場所で歌や楽器で曲を演奏。その様子を撮影した動画を応募フォームから投稿する。

 投稿動画の一部は、リモート合奏ふうの動画に編集して、高校野球情報サイト「バーチャル高校野球」(https://vk.sportsbull.jp/koshien/別ウインドウで開きます)とユーチューブチャンネル「ブカピ 部活ONE」(https://www.youtube.com/c/Bukapi別ウインドウで開きます)で公開予定。それぞれが自分の動画をハッシュタグ「#みんなで栄冠」をつけてSNSで公開してもよい。

 演奏に必要な楽譜は特設サイトで見ることができる。詳しい応募方法や本番用動画は8月初めにサイト内に掲載される。

 本番用動画の参加校は、大阪、兵庫の次の高校。吹奏楽は市立尼崎▽箕面自由学園▽淀川工科。合唱は大阪信愛学院▽関西学院▽神戸▽四天王寺▽親和女子▽清教学園▽長田。(関根光夫)

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