新型コロナウイルスの感染が再び広がるなか、国土交通省が観光振興策「Go To トラベル」を今月22日に前倒しして始める。この時期に人の移動を促すことに、地方の観光業者からも疑問の声が出ている。鹿児島商工会議所の会頭で、ホテルやバスなどの事業をグループで展開する岩崎産業(鹿児島市)社長の岩崎芳太郎氏(66)が朝日新聞のインタビューに応じ、現状では地方の観光地にはプラスにならないと指摘した。おもなやりとりは次のとおり。

    ◇

 ――「Go To トラベル」が実施されます。

 「何のためにやるのか。地方の観光業にとって真の救済になるのか疑問です。助ける必要のない人たちがいっぱい得をして、本当に助ける必要のある人が助からない可能性もあります」

 「旅行の需要は心理面に左右される。地方の観光地で最もお金を使ってくれるのは、東京など大都市部から来る人たち。(感染が再び広がる)この状況で、わざわざ遠くの観光地に行こうと思いますか? 首都圏の人なら、東京ディズニーリゾートに泊まったり、箱根や熱海に旅行したりするのではないでしょうか」

 ――国は観光業界の要望にこた…

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