知られざる半世紀前の「イージス」計画 変わらぬ構図

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伊藤喜之
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 半世紀前、大阪府北部の山里・能勢町航空自衛隊による地対空ミサイル「ナイキJ」を配備する基地建設計画が浮上した。住民懐柔を図る防衛庁(現・防衛省)に対し、町民や労働組合員が反対運動を繰り広げ、7年後に計画は撤回された。日本政府は6月15日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止を表明。当時の関係者には二つの出来事が重なる。

 6月中旬、能勢町の深山(みやま)(標高790メートル)のふもとから眺めると、山頂付近に巨大なゴルフボールのような装置が見えた。旧建設省が1982年に稼働を始めた雨量観測所のレーダーだ。

 「一歩間違えば、あの辺りには敵国の攻撃を捉えるレーダー基地とミサイル発射台ができとった」

 案内してくれた元豊中市職員…

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