「自分売り込む」新車セールス コロナで激変、戸惑いも

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稲垣千駿
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 新型コロナウイルスの流行で、自動車販売店の店頭の様子が様変わりした。新車販売は営業担当から「自分と車を買ってもらう」とも言われ、店に人を呼び込み、接客をするのが基本だった。その流れが大きく変わり、ネットの活用も徐々に広がってきた。コロナ禍での新車販売の現場を追った。

 東京都世田谷区にあるホンダ出資の販売店「ホンダカーズ東京中央 桜新町店」。7月に入り、6月中旬はがらんとしていた店内に人の流れが戻ってきた。ゼロだった週末の新規の来店客は4組に増えた。ただ、都内は連日100人以上の感染者が出ている。酒井信幸店長は言う。「まだ電話や手紙を中心とした接客は変えられない」

 新車販売は通常、車検の数カ月前から既存客に電話して乗り換えを勧め、連絡を絶やさずに人間関係を作っていく。固定客を作り、新聞の折り込み広告やテレビCMで来店を呼びかけ、新規客も獲得していく。

 国内では海外のようにインターネットを介した販売は浸透していない。同店も同じで、実際に見てもらうことを重視する。新規の来店客は複数の車で迷っていることが多いといい、ホンダカーズ東京中央の山本俊夫・第1営業部長は「売るには接客して自分と車を買ってもらうしかない」と語る。「商品で差がつかない場合、重要なのは接客やお店の雰囲気。そのためにも来店していただき、直接話すことが必要だ」

 そんな営業スタイルは、新型コロナの問題が深刻化した2月以降、一変した。

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 ホンダの販売店は今年、7年…

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