第3回選手が参加しない国が出たら…置き去りの開催に意義なし

6つのカタチ③ 参加国

史上初の延期となった東京オリンピック。IOCや大会組織委員会は、費用削減を念頭に「安全で簡素」な大会の姿を模索しています。コロナの時代、多くの人が価値を認めるスポーツの祭典とは? 譲れるもの、譲れないものは? 6つのキーワードを切り口に、取材を続ける記者たちが考えました。

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 新潟で高校野球担当をしていた2007年夏、全国高校野球選手権新潟大会の開催中に中越沖地震(最大震度6強)が発生し、大会が中断しました。再開を見通せず「代表校を出せないかもしれない」と頭を抱える新潟県高校野球連盟に、日本高野連は「新潟代表が決まるまで待つ」と言ったそうです。大会は地震の1週間後に再開。新潟明訓の優勝が決まり、全都道府県の代表校がそろって甲子園大会は開催されました。

 来夏までに新型コロナウイルスの流行が収まらない国・地域の選手が参加を断念したら、五輪はどうなるのか――。考えていたら、駆け出し記者時代のそんな記憶がよみがえりました。

 今夏の開催を巡っては、延期決定前の3月22日、カナダオリンピック委員会が「選手を派遣しない」と表明しました。続いて豪州などが延期を支持。安倍晋三首相国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が延期で合意したのは同24日のことでした。

 五輪憲章は「NOC(各国・地域の国内オリンピック委員会)は五輪に選手を派遣し、参加する義務がある」と定めていますが、選手や関係者の健康を考えれば、来夏に向けても、今回のカナダのように不参加を表明するNOCが出てくる可能性は否定できません。

五輪のシンボルが意味するもの

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 1896年に開催地ギリシャ

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