復興・五輪基金の取り崩しも コロナで財政難の都道府県

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森下裕介 本多由佳 久保田侑暉
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 新型コロナウイルスへの対応は、都道府県の財政にも重くのしかかっている。対策に使った財政調整基金が激減したところもあり、コロナの「次の波」や自然災害がおきた際に対応できるか、懸念する声が高まっている。

賄いきれず、市町村にも協力要請

 東京都に次いで感染者が多い大阪府。休業要請を受けて売り上げが落ち込んだ約7万社を対象に、最大100万円の支援金を給付した。事業費は約400億円。条例に基づいた知事権限による財調基金の取り崩しなど府の予算だけではとても賄えず、府内の市町村に協力を求めて折半することで、実現させた。

 千葉県は、コロナ対策での財調基金の取り崩しはないが、2020年度当初予算の段階で昨年の台風被害からの復旧・復興などに対応するため500億円を取り崩した。このため、20年度末の残高見通しはわずか6億円。財調基金には頼れず、東日本大震災の復興や東京五輪パラリンピックのための基金のほぼ全額21億円を使うことにした。

 特定警戒都道府県に指定された石川県。売り上げが減った企業への支援金やコロナ対応の医療機関への協力金などの支出で、118億円の財調基金の9割以上を取り崩した。「次の波」に備えるため、6月の補正予算で予備費に30億円を追加したが、谷本正憲知事は「当初予算で税収などはすでに使っており、コロナ対応に活用できる財源は財政調整基金のみ」と厳しい懐事情を明かす。

 秋田県は休業要請をめぐる協力金や県内の飲食店や宿泊施設で使えるプレミアム券の発行などのために財調基金を使った。5回にわたり取り崩した結果、約106億円あった残高が大きく減った。税収減も見込まれる中、穴埋め策は未定だ。

 7月に入ってからの記録的な豪雨で大きな被害を受けた熊本県。コロナ対策での財調基金などの取り崩しは約7千万円だったが、担当者は「被害の全容がつかめておらず、復旧・復興に必要な予算がいくらになるか分からない」と不安視する。

「東京は裕福だから…」

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 一方、財調基金の取り崩し額…

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