亡くなる2日前までリハビリ 愛犬ナナがくれた生きる力

有料記事それぞれの最終楽章

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それぞれの最終楽章・ペットとともに(2)

特別養護老人ホーム施設長 若山三千彦さん

 愛犬は、時に人間に大きなパワーを与えます。昨年11月に亡くなった榊原桂子さん(享年82)のケースでも、それを感じました。難病を患い、愛犬ナナ(メス)と一緒に入居しましたが、最期まで希望を捨てずに生き切った人生でした。

 「進行性核上性麻痺(まひ)」という徐々に体が動かなくなる難病でした。自宅でナナとの暮らしを続けていました。小型犬のキャバリアで、ふんわりと毛が長く、上品な顔立ち。愛嬌(あいきょう)があるナナは、いつもそばにいて、顔をペロペロしてくれました。

 実はナナを飼うのには、娘さんとひともんちゃくありました。子どものころから犬を飼い続けてきた榊原さんにとって、ナナは7代目のワンちゃん。約2年前に先代の愛犬を亡くし、どうしようもない孤独感にさいなまれていました。「またワンちゃんがほしい」という榊原さんに、娘さんは「気持ちはわかるけど、最後まで面倒は見られないでしょ」と反対していました。でも、あるとき、いきつけのペットショップでナナを見つけ、「衝動買い」してしまったのです。

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 そのような経過で「家族」に…

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