「寝たきりでも…」届いた女児の訴え、最後の年に学校へ

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山下剛
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 コロナ禍による長期休校が明けて、長年「学校に行きたい」と訴えてきた小学校6年の女子児童が、東京都内の学校に通い始めた。病気のため寝たきりで、人工呼吸器が手放せない「医療的ケア児」だが、都教委が今年度から保護者の付き添いなしで通学することを容認。学校で学ぶという夢が、ようやくかなった。

 東京都世田谷区にある特別支援学校の都立光明学園。真新しい校舎の教室で、肢体不自由教育部門小学部6年の山田萌々華(ももか)さん(12)が国語の授業を受けていた。ストレッチャー型の車いすに乗って人工呼吸器をつけ、口元は小さなマスクで覆っていた。

 先生が教科書の「風切るつばさ」という作品を読み上げ、「物語の舞台はどこか分かるかな?」と尋ねると、「モンゴル」と即答。先生が用意した絵や文章のカードも、物語の順番どおりに並び替えた。

 萌々華さんは、生まれつき骨形成不全症という病気がある。普通の小学生と同じ教育課程を受けているが、ほとんどの授業は先生とマンツーマンだ。「体育はお友だちと一緒にできるのがうれしい」

 昨年度までは、病気や障害で学校に通えない子どもたちのため、先生が自宅を訪れて授業をする「訪問教育」を受けていた。東京都の場合、週3回で1回2時間。限られた授業時間に、算数や音楽、体育など多くの教科をこなしていた。

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 きっかけは2年前、重い病気を持つ子どもと家族を支える財団が主催する「医療的ケア児と家族の主張コンクール」で、萌々華さんが「学校に行きたい」と訴えたことだった。

 《私は骨がとても弱いので…

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