発想が「おっさん」、コロナ禍で変わらぬ国会 課題は

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聞き手・野平悠一
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 新型コロナウイルスの収束が見通せないまま、通常国会は会期通りの150日間で閉会した。感染が拡大するにつれ、私たちは「新しい生活様式」への順応を求められた。それなのに、国会では「3密」の回避やオンライン審議はなかなか進まず、旧態依然とした姿に疑問を覚えた。コロナ流行下で事態が刻々と変わるなか、国権の最高機関は役割を果たしているだろうか。憲法学者の南野森・九州大教授に聞いた。(聞き手・野平悠一)

 やっぱり古い。発想が「おっさん」なんですよ。4月でしたか、国会中継を見ていると密状態のまま普通にやっていました。何百年もの歴史がある英国でさえ、オンライン国会を始めた。日本でも、本会議での採決などは難しいとしても、一部の審議をオンライン化するのは簡単なはずなのに、どうしてやらないのか疑問です。

 通常国会は悪い意味で歴史に残る国会でした。「桜を見る会」や検察庁法改正案など数に任せて強引にやってきた安倍政権の弊害に焦点が当たりました。非常に重要な問題が置き去りにされ、国会が本来の機能を果たせないまま閉会した。

 極め付きは補正予算に計上された10兆円の予備費。あまりにも無理があります。税金をどう使うかは民主主義で一番大切なこと。国会で議論しなければ議会制民主主義の否定です。

 みなみの・しげる 1994年東京大卒、2014年から現職。編著に「憲法学の世界」。「AKB48」のメンバーに講義するスタイルで憲法や立憲主義を解説した「憲法主義」がベストセラーに。

 閉会している場合ではない…

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