豊後三大温泉襲った未明の氾濫 天ケ瀬温泉に壊滅的被害

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 大分県日田市天瀬(あまがせ)町では筑後川の支流の玖珠(くす)川が氾濫(はんらん)。川の両岸に立ち並ぶ天ケ瀬温泉の土産物店や温泉旅館に泥や流木、がれきが流れ込み、両岸を結ぶ新天瀬橋が崩落した。温泉街に住む70代の女性が川に流されて行方不明となっている。

 天ケ瀬温泉は別府、湯布院とともに豊後三大温泉に数えられる。創業190年の老舗旅館「天龍荘」の社長、大庭龍一さん(68)は「まさか、ここまで水かさが増すとは」と驚いた。

 川の増水を予想して前夜は家族と旅館2階に避難。深夜に雨脚が弱まったので眠りについたが、7日未明に起きると水位が上がっていたため、玄関前の階段に急いで土囊(どのう)を積み上げた。

 3年前の九州北部豪雨では、水が階段の高さを超えなかったが、今回は違った。早朝、玄関から水が入ってきたためロビーの家財を動かそうとしているうちに、あっという間に胸下ぐらいまで水が上がり、避難するしかなかったという。

 川に面した露天風呂が人気の旅館「丸山荘」は1階部分の風呂や家財、畳がすべて濁流にのまれた。経営者で天ケ瀬温泉旅館組合長も務める阿部信明さん(60)は「新型コロナウイルスによる自粛が解除され、これからという時。精神的ショックが大きく、このまま廃業してしまう旅館もあるかもしれない」と涙を浮かべた。組合によると加盟する13軒のうち9軒が「壊滅的な被害に遭った」としている。

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 日田市中津江村では、国道4…

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