第14回オンライン授業に我が子苦戦 欧州でパパ記者が思うこと

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 新型コロナウイルスの感染爆発が起きた欧州各国では学校が休校となり、保護者や教員らが教育機会の確保に苦心している。秋以降もコロナ前と同じような学校に戻れるかは極めて不透明な状況だ。オンラインによる授業や宿題が普及しつつあるが、学校教育の新たな救世主となるのだろうか。バカンスを重視する国々では、日本のように夏休みを短縮するという動きも乏しい。コロナ禍における教育の実情をパリ支局、ローマ支局から、子どもたちを現地校に通わせる記者が報告したい。

フランスではサイトに宿題アップ

 フランスでは、3月中旬にマクロン大統領が学校を閉鎖。幼稚園と小中学校のすべてで子どもを受け入れるようになった6月22日まで、多くの子どもは学校に通えず自宅で過ごした。

 休校中、記者の7歳の娘が通うパリの公立小学校では、オンラインで宿題が出た。指示されたサイトにパソコンでアクセスすれば、文法や算数など市販の教材の問題が載っているという仕組みだった。

 パリに暮らして2年の娘にしてみれば、フランス語はまだ外国語。「動詞を半過去に活用しなさい」といわれても、なんのことやら。読解の問題もあったけれど、わからない単語ばかりで辞書の使い方もわからず、お手上げ状態。すぐにやる気をなくしてしまった。質問があれば教員にメールすれば答えてくれる仕組みだったが、多くの子どもがやっていないのか、連絡をしなくてもなんの注意もなかった。

 日中に娘のオンライン課題を一緒に解くこともあった。しかし、先延ばしした仕事を片付けようと夜なべする日が続くとイライラしてしまうことも。娘からは「顔が怖い」とたびたび言われるようになってしまった。結局、プリントアウトだけした宿題が、手つかずになってたまる日々が続いた。

 こういうわけで、娘の学校教育は半ば放置状態になった。たまに見る教育テレビの番組と、夜のニュース番組が、娘にとって生きたフランス語との接点だった。

 ちなみに他の学校はどうなっているのだろうと思い、電話取材したパリの小学校教員ポリーヌさん(33)は、自宅からパソコンを使って生のオンライン授業をしていた。

 互いにやりとりができるよう、24人の生徒を4グループに分け、同じ授業を毎日4回繰り返すという念の入れようだった。ポリーヌさんの同僚には、宿題を出すだけの人もいるようだから、やり方は教員ごとに違うようだった。この辺はフランスらしい。

 5月11日から外出禁止が部…

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