続く救助活動 「命だけでも助かって…」無事を祈る家族

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 緑の山あいに、茶色い濁流が広がる。熊本県南部の球磨村。渡(わたり)地区の特別養護老人ホーム「千寿園」が水没し、14人の心肺停止が確認された。4日午後7時20分ごろ、消防隊が千寿園から救助した入所者らをボートに乗せ、水につかった道路を渡ってきた。「あれ、ばあちゃんじゃない」。安否を心配し近くまで来ていた入所者の家族が、声をあげた。

 球磨村に隣接する芦北町の田川地区では大規模な土砂崩れが発生し、民家3棟がのみ込まれた。山肌がむき出しになり、消防隊員らが救助活動を続ける現場を、熊本県菊陽町の入江純二さん(39)はじっと見つめていた。3棟のうち2棟に90代の祖母、母(70)、兄(42)が住んでおり、3人とも巻き込まれたとみられる。「命だけでも助かってくれれば」とつぶやいた。

 芦北町の避難所には午後4時半ごろ、10人ほどが集まっていた。会社員の女性(43)は午前1時ごろ、自宅2階のトイレで異変に気づき、階下に下りると、足首あたりまで浸水していた。外の様子は豪雨でよく見えない。そのまま2階で過ごすうち、午前5時ごろには1階の天井まで水が上がってきたという。

 2階にはしごをかけてもらい、救助されたのは午後3時。「避難所に来られて一安心だけど、車も水没してしまった。これからの生活が心配」と疲れた様子で語った。

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