J1再開、主役は俺たちだ 東京五輪世代の上田らに聞く

有料記事

勝見壮史 吉田純哉
【動画】主役は俺たちだ! 東京五輪世代4人 サッカー・J1再開
[PR]

 28年目のシーズンが、4カ月の中断を経てリスタートする。明治安田生命J1は7月4日に再開。それに先立つ6月27日にはJ2が再開し、J3は開幕の日を迎える。原則24歳以下で臨む東京五輪を来夏に控え、Jの舞台は若手にとって格好のアピールの場となる。躍動するホープたちに、自身の「強み」を色紙に書いて寄せてもらった。主役は、俺たちだ――。(勝見壮史、吉田純哉)

ゴール狙う、最短距離で 鹿島・FW上田綺世

 全ては、ゴールのため。鹿島のFW上田綺世(21)の考えはシンプルだ。一番の武器だという「動き出し」も、そこに行き着く。

 得点への最短距離を追求してきた。「点を取るとなったら、自分でドリブルで1、2人かわすより、味方からいいタイミングでパスを受けてGKと勝負した方が手っ取り早い」。気付いたのは、小学生のころだ。

 キック力のある味方が相手のDFの後方に蹴ったロングパス。それを受け、GKとの1対1からゴールを決める。自慢の快足も生かせる。プロになった今も、変わらないスタイルだ。

 球を持つ味方の状態、マークしてくる相手の目線や体の向き。めまぐるしく変わる状況を見ながら、DFの背後へ飛び出してゴールを陥れる一瞬を常に狙っている。前線に走り込んで結果的にパスが来ないことも多い。それでも怒らない。何度も繰り返すだけだ。

 2017年に立ち上がった東京五輪世代の代表チームで、最多の15得点。好プレーだったと評価されても、無得点だったら納得しないと豪語する。ゴールへの執着は群を抜く。「どんなに失点しても、それ以上の点を取れれば勝てる。そういう感覚が僕にはある」

壁越える、万能になって 川崎・MF田中碧

 昨季のベストヤングプレーヤー賞(新人王)、川崎のMF田中碧(21)には、越えたい大きな「壁」がある。Jリーグを代表する選手でクラブの顔でもある中村憲剛(39)。「本当に素晴らしい選手。でも、いつまでも背中を追いかけているようじゃだめだと思っている」

 惜しみなく助言をくれる先輩。尊敬する一方、「サッカーをやるうえで年齢は関係ない。負けたくない」という対抗心もある。ピタリと合わせるパスで得点を導いたかと思えば、ゴール前に持ち込んで自らも決める中村。その攻撃力は、ボールを奪うのが得意な自分にはないものだ。「点を取れる力は必要。そういう部分を上げなければ」

 一緒にプレーして学ぶだけではなく、がむしゃらにチャレンジもした。結果に表れたのが、東京五輪世代の代表チームとして臨んだ昨秋のブラジル戦。2本のミドルシュートを決め、注目を高めるきっかけになった。

 欧州の強豪チームの試合映像を見て、自分のプレーと見比べる。活動自粛期間は、たっぷりと勉強する時間に費やした。一つの特長が目立つのではなく、何でもできる選手に。掲げる理想は、高い。「唯一無二の存在になる」

記事の後半では浦和の橋岡、広島の大迫を紹介します。

ここから続き

■心動かす、激しい走りで 浦…

この記事は有料記事です。残り995文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら